EC業界では既に常識!ヒートマップ分析とは・メリット
- 「トラフィックは多いのにコンバージョンに結びつかない」
- 「コンバージョンを増やそうにも、どこを改善したら良いか分からない」
WEBマーケティング担当者の方の中には、その様な悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?その様な悩みを抱えている方には、ヒートマップ分析の導入をおすすめします。
ヒートマップ分析では、サイト内でのユーザーの動きをヒートマップにより直感的に把握することが出来ます。ユーザーのマウスの動きやスクロールの動きにより、ユーザーがサイト内のどこに興味を持ち、また、どこに興味がないのかを知ることができるのです。
そこで今回は、そんなヒートマップ分析についての基礎的な知識から、導入するメリットに至るまでわかりやすく解説していきます。この記事を最後まで読めば、ヒートマップ分析についての基礎的な知識を身に着けることができますので、ぜひ最後までご覧ください。
まずはここだけ抑えれば大丈夫!ヒートマップ分析の基礎知識
まず初めに、ヒートマップ分析の基礎的な知識からお伝えします。ここでは、以下3つについて解説していきます。
- ヒートマップ分析とは?
- ヒートマップ分析でわかること
- ヒートマップ分析の種類
ヒートマップ分析とは?
まず、ヒートマップとは、エリアごとにデータの数値を強弱で色分けしたグラフのことを指します。身近な例で言うと、天気予報でのエリア別の気温の高さを色で表した図を思い浮かべて頂くといいでしょう。
そのことから、WEBサイトにおけるヒートマップ分析とは、ユーザーのWebページに対する反応を、色によって可視化する分析手法のことをいいます。
WEBサイト内のユーザーのマウスの動きやクリック箇所から、コンテンツのどの部分に注目しているのか、また、注目していないかといった関心度を直感的に分析することができます。
ヒートマップ分析でわかること
ヒートマップ分析で主にわかることは、以下の5つです。
- ページ内のユーザーのマウスの動き
- ページ内でクリックされている箇所
- ユーザーがページを閲覧したエリアの滞在時間
- ユーザーがどこまでスクロールしたか
- ユーザーが離脱した箇所
これらを分析することで、ユーザーがサイト内のどの箇所に興味を持っているのかを把握でき、よりユーザーファーストなコンテンツに改良することができます。
ヒートマップ分析の種類
ヒートマップ分析と一口に言っても、色々な種類があります。それぞれの種類により、視覚化できるデータも異なってきますので、目的別に使い分けることをおすすめします。
主な種類を、以下の表にまとめました。
ヒートマップの種類 | 意味 |
スクロールヒートマップ | どの部分までスクロールしているのか、その位置を色やファネルで視覚化 |
アテンションヒートマップ | ページの場所ごとの滞在時間(ディスプレイにページが表示されていた時間)を視覚化 |
クリックヒートマップ | ユーザーがページ上のどこでクリックしたのかを視覚化 |
マウスグラフィ | マウスポインターの動く道筋を視覚化 |
タッチアクションヒートマップ | スマートフォンで行われるタップやスワイプ、ピンチイン(縮小の動き)、ピンチアウト(拡大の動き)がどこで発生しているのかを視覚化 |
一つ一つ解説していきます。
スクロールヒートマップ
スクロールマップでは、ユーザーがWEBサイト内のどの部分までスクロールしているのかを色やファネルで視覚化されてます。
こちらで主に見ることのできるものは、「コンテンツごとの離脱者の多少」や「ページのどの部分まで見られているのか」です。離脱が多く発生している場所のコンテンツを変更することで離脱者を抑制し、コンバージョンを増やすといった策を打つこともできます。
アテンションヒートマップ
アテンションヒートマップは、ページにどれだけ滞在していたか(どれだけディスプレイ上に移していたか)を視覚化したものです。
こちらを使用することで、「ユーザーが注目しているコンテンツ」や逆に「ユーザーが興味のないコンテンツ」を知ることができます。滞在時間の長短は、ユーザーの興味の大小と結びつきます。
ユーザーが興味のあるコンテンツは、そのままコンバージョンに結びつく可能性が高いです。その様なコンテンツを見つけ、できるだけページ上部に移動させることで、より多くのコンバージョンに結びつけることができるでしょう。
クリックヒートマップ
クリックヒートマップは、ユーザーがページ上のどこをクリックしたのかを視覚化したものです。
こちらを使用することで、「リンクをユーザーが正しく見つけられているか」や「リンクと勘違いされているデザインはないか」を知ることが出来ます。ユーザーに適切にリンクをクリックされることは、コンバージョンを増やすにあたり非常に重要な要素です。
リンクがないのにクリックされているということがあれば、それだけでユーザーのストレスとなりまた、コンバージョンを増やす機会の損失にもつながりかねません。
クリックヒートマップは、「ユーザーの使いやすさ」を検証するために非常に重要なものなのです。
マウスグラフィ
マウスグラフィは、マウスポインターの動く道筋を視覚化したものです。
人の視線とマウスポインターの位置は、約7割ほど一致するといわれております。つまり、マウスグラフィは、疑似的にユーザーの目線の動きを表しているといえます。
こちらを使用することで、「注目度の高いテキストや画像」を知ることができます。例えば、横に並んでいるバナーリンクの中でどのバナー画像が注目されているのかを、より詳細に知ることができるのです。
タッチアクションヒートマップ
タッチアクションヒートマップは、スマートフォン・タブレット専用のヒートマップです。スマートフォンで行われるタップなどの動きが、どこで発生しているのかを視覚化します。
こちらを使用することで、「ユーザーが興味を持っているコンテンツ」や「ユーザーにとって小さすぎて読めないコンテンツ」を知ることができます。こちらで鍵になってくるユーザーの動きは、画面を拡大する「ピッチアウト」です。
多くのユーザーからピッチアウトをされている部分は、それだけ注目度の高いコンテンツであることが予想されます。そのため、その部分を目立たせるために、文字サイズや配置の変更などの施策を打つこともできるでしょう。
ヒートマップ分析のメリット・デメリット
ここまでヒートマップ分析の基礎的な知識をお伝えしてきましたが、今度はヒートマップ分析を使用することでどのようなメリット・デメリットがあるのかをお伝えしていきます。
ヒートマップ分析のメリット
ヒートマップ分析の主なメリットは、ユーザーのページ内での細かい動きを把握でき、ユーザビリティの高いWEBサイトに改善できる点です。
例えば、ヒートマップ分析の結果、一番ユーザーから注目されていたコンテンツがページの下部にあったとします。その場合、そのコンテンツをページ上部に移動させることで、より多くのユーザーにその魅力あるコンテンツを見てもらうことができます。
このように、ユーザーが欲しい情報をユーザーに届きやすいようにWEBサイトを設計し、結果としてコンバージョンを増やせるという点が、ヒートマップ分析の大きなメリットといえるでしょう。
ヒートマップ分析のデメリット
反対に、ヒートマップ分析のデメリットとしては、サイト全体での行動は把握できないという点があげられます。
ヒートマップ分析は、ページ毎のユーザーの動きは把握できますが、サイト全体の動きを把握することはできません。そのため、アクセス解析等、他のWEB解析の手法を組み合わせて行うことが必要です。
まとめ
最後に、今回の記事の内容をまとめます。
- ヒートマップ分析とは、ユーザーのWEBページに対する反応を、色によって可視化する分析手法のことをいう
- ヒートマップ分析では、WEBサイト内でのユーザーの動きを視覚的に把握することができる
- ヒートマップ分析は種類により視覚化できるデータも異なるので、目的別に使い分ける必要がある
- ヒートマップ分析の主なメリットは、ユーザーのページ内での細かい動きを把握でき、ユーザビリティの高いWEBサイトに改善できる点である
WEBサイトのコンバージョンを増やすには、ユーザー目線に立ったサイト設計が必要となります。そのユーザー目線を把握するための手法として、今回紹介したヒートマップ分析は非常に有効です。
頑張ってアクセス解析はしているけどなかなかコンバージョンが上がらないという方は、ぜひ一度ヒートマップ分析を取り入れてみてはいかがでしょうか?