MECE(ミーシー)とは?意味や使い方をわかりやすい例を用いて解説!
ロジカルシンキングの基本概念とも言われている「MECE(ミーシー)」。
使い方によっては、商談やマーケティング戦略、顧客管理などさまざまな場面で役立ちます。
このMECEについて、わかりやすい例を基に意味や使い方を解説していきます。
MECE(ミーシー)とは?意味は?
MECEとは、「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」という意味になります。
※読み方はミーシー or ミッシー
Mutually(お互いに)
Exclusive(重複せず)
Collectively(全体に)
Exhaustive(漏れがない)
物事を考える際、一部が重複してしまったり、存在を忘れてしまったりすることは頻繁に起こります。
ダブりやモレが発生しないようにするのがMECE。
フレームワークではなく、思考法やロジカルシンキングの概念の1つとなります。
MECEのわかりやすい例
イメージがつきやすいよう、簡単な例を挙げてご紹介します。
「高校生」を例にMECEに考えると…
➀部活動で分ける
複数の部活動に所属する高校生がダブっている上に、部活動に所属していない高校生がモレている
⇒モレがあり、ダブりもある
②帰宅部を含めて部活動ごとに分ける
モレはなくなったが、複数の部活動に所属する高校生がダブっている
⇒モレがなく、ダブりがある状態
③15歳、16歳、17歳、18歳と年齢で分ける
ダブりはないが、19歳や20歳など、留年した高校生がモレている
⇒モレがあり、ダブりがない状態
④高校1年生、2年生、3年生で分ける or 通っている高校の都道府県で分ける(東京都、神奈川県など)
⇒モレがなく、ダブりもない状態
なぜMECEに考える必要があるのか
MECEに考える最も大きなメリットは、意思決定の確度を上げられる点です。
モレがあると、ビジネスのチャンスを見逃してしまうかもしれません。
ダブりがあれば、同じ検討を何度も繰り返すことになり、効率性を落としてしまうかもしれません。
モレがなく、ダブりもない考え方が出来れば、これらのリスクを回避することが可能です。
MECEは意思決定における大きな助けとなるでしょう。
また、整理のしやすさもメリットです。
先ほどの例のように「部活動で分ける」と、モレやダブりが発生するため、顧客の管理や分析が行いにくくなってしまいます。
MECEに考えることで、より適切に管理、分析を行えるでしょう。
ただし、MECEが身に付いたとしても、モレやダブりを完全にゼロにできるわけではありませんのでご注意下さい。
MECE(ミーシー)のやり方・使い方
MECEに考えていくために、よく使われる手法が「トップダウンアプローチ」と「ボトムダウンアプローチ」。
それぞれ特徴が異なるため、上手く使い分けると良いでしょう。
トップダウンアプローチ
トップダウンアプローチは、全体から分析をし、目的や課題に適した分類を行う手法です。
全体像が明確であるほど有効な手法となります。
ただし、全体像が不明瞭な、未知な分野について行う場合には適しません。
分類にモレが発生しやすくなるためです。
ボトムアップアプローチ
ボトムアップアプローチでは、情報を集めて全体像を浮かび上がらせていきます。
そのため、未知な分野でも分類しやすいのが特徴。
とは言え、ブレインストーミングでの洗い出しが甘いと、モレが発生しやすくなる点には注意が必要です。
ボトムアップアプローチを行ってからトップダウンアプローチで修正を加えるなど、2つの手法を上手に使い分けると良いでしょう。
目的ごとに分類の切り口を変えよう
MECEに分類すればそれで良いわけではありません。
なぜなら、MECEは目的を達成するための手段であり、分類して終わりではないのです。
例えば、顧客をMECEに考えて分けるとなると、一つの切り口だけでは目的を達成できないことがほとんどでしょう。
「年齢」「地域」など、複数の切り口から分類する必要があるはずです。
目的を達成できるよう、分類する切り口を柔軟に変えていくことが求められます。
MECE(ミーシー)の注意点・まとめ
MECEに考えることに目がいってしまい、MECE自体が目的となってしまうケースが少なくありません。
これでは本末転倒です。
「この課題をなぜMECEに考える必要があるのか」「何を達成したいのか」など、目的を常に念頭に置くようにしておきましょう。
また、いくらMECEを心がけても、モレやダブりが発生することもあります。
主観や考え方などにどうしても左右されるためです。
少人数で行わない、異なる考え方を持つ人にも参加してもらう等、対策を立てることでより精度を上げられるでしょう。
MECEな思考が理解できたら、積極的に活用してみて下さい。
ビジネスの大きな助けとなるはずです。