STP分析とは?やり方は?事例は?マーケティング戦略に欠かせないフレームワーク!

STP分析とは?やり方は?事例は?マーケティング戦略に欠かせないフレームワーク!

マーケティング戦略を立案する際、是非ともおさえておきたいのがSTP分析。
今回は、STP分析の目的やメリット、やり方や参考事例について解説していきます。

STP分析とは?

STP分析とは、
Segmentation(セグメンテーション)
Targeting(ターゲティング)
Positioning(ポジショニング)
の頭文字を取って名付けられたフレームワーク。

「セグメンテーション」で市場全体を把握して分割、「ターゲティング」によりアプローチする市場や対象とする顧客など絞り、「ポジショニング」で自社の立ち位置を決定します。
フィリップ・コトラー氏が提唱したもので、業種やサービスに関わらず活用することが可能です。

STP分析の目的とメリット

STP分析は、主に効率的なマーケティング戦略を立てるために行われます。
仮に商品やサービスが良かったとしても、ターゲットが定まっていなければ売れません。
例えば、ただのイタリアンのお店よりも、「ワインの種類が豊富なイタリアン」「石窯でピザを作るイタリアン」「夜景の綺麗なイタリアン」といったように、ターゲットが明確な方が選ばれやすいでしょう。
自社にとって意味のあるターゲットを定め、自社が他社よりも優位に立てるポジションを決めることがSTP分析を行う最大の目的です。

また、競合の状況を分析することで、他社との競争を回避することも可能です。
市場によっては勝ち目のない、もしくは薄いケースも存在します。
多くのリソースをかけて参入した市場でシェアを獲得できなければ、会社が甚大なダメージを負うことになりかねません。
自社が勝てる市場を探す際、STP分析は非常に有効です。

STP分析のやり方

Segmentation(セグメンテーション)

セグメンテーションでは、似たようなニーズを持つ市場ごとに、細かく分類していきます。
市場細分化と呼ばれることも。
年齢、性別、地域、購買行動などで分類し、自社にとって利用してもらいたいユーザー像を明確にするのが目的です。
セグメンテーションを行う際のポイントとして、「細分化した市場が十分な規模を持っているか」は注意しておきましょう。

代表的な指標として、主に「デモグラフィック(人口統計的変数)」「ジオグラフィック(地理的変数)」「サイコグラフィック(心理的変数)」「ビヘイビアル(行動変数)」の4つが使用されます。

デモグラフィック(人口統計的変数)

デモグラフィックは、年齢、性別、家族構成、学歴、職業、人種、国籍など…
統計調査などを基にした指標です。
データの入手が簡単なため、セグメンテーションを行う際には頻繁に用いられます。

ジオグラフィック(地理的変数)

ジオグラフィックは、国や市町村などの地域特性、地域人口、気候、文化など…
地理的な要因を基にした指標です。
デモグラフィック同様、国の調査などデータの入手が簡単なため、頻繁に用いられています。

サイコグラフィック(心理的変数)

サイコグラフィックは、価値観、ライフスタイル、社会階層、購買動機など…
心理的な要因を基にした指標です。
アンケート調査やヒヤリング結果などを使って判断していきます。

ビヘイビアル(行動変数)

ビヘイビアルは、購買頻度、購買パターン、使用頻度など…
個人の行動を基にした指標です。
行動追跡データなどをベースに判断していきます。

Targeting(ターゲティング)

ターゲティングでは、セグメンテーションした中から、アプローチする対象(ターゲット層)を絞ります。
自社の商品やサービスに当てはまる対象を選んでいきましょう。
混同されがちですが、セグメンテーションは市場や顧客を「分ける」、ターゲティングは分けられた市場からアプローチする対象を「絞る」と、それぞれ異なる作業となります。

Positioning(ポジショニング)

ポジショニングでは、競合の商品やサービスを踏まえ、自社の立ち位置を決定します。
価格、サービス、特徴、営業手法など、さまざまな指標を基に競合と比較。
「自社の強みを活かしてポジションを奪うのか」
「ポジションをずらして競合と差別化を図るのか」
自社が勝てるポジションを探し、ターゲットにどう認知されたいのかを明確にしていきましょう。

また、S、T、Pの分析が矛盾していないかは必ず確認してください。
各項目をバラバラに考えてしまうと、かえって逆効果となってしまう恐れもあります。

STP分析の事例~ユニクロ~

STP分析で成功した事例として、ユニクロが有名です。

ユニクロは、アパレル業界において独自のポジショニングを取ることに成功しています。
これまでアパレルメーカーでは、「30代の働く既婚女性」のように、ターゲット層を絞り込んで販売する戦略を主に取っていました。
しかし、ユニクロは企画から製造、販売までを一貫して行うスタイルを武器に、あえてターゲット層を絞らず、「消費者のニーズに商品生産を合わせる」戦略を採用。
ターゲット層ではなく、心理的変数で商品を絞り込むセグメンテーションを行ったわけです。
結果、「カジュアルでベーシック」という独自のポジションを確立。
ヒートテックやフリースなど、大ヒット商品を多数生み出しています。

マーケティング戦略に欠かせないSTP分析

STP分析を行うことにより、自社にとって意味のあるターゲットを定め、自社が他社よりも優位に立てるポジションを決めることが可能となります。
マーケティング戦略を立案する上で欠かせないフレームワークと言えるでしょう。
戦略立案に携わる方は是非とも覚えておいて下さい。

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